みちのく総合診療医学センター センター長
小幡 篤
医療崩壊・医師不足が叫ばれる中、各臓器ごとに分かれた診療をする臓器別の専門医に比べて、年齢・臓器にとらわれずに広く総合的な診療をする家庭医・総合医といったジェネラリスト医師は量的質的に不足しているのが現状です。大きな需要があるにもかかわらず、ジェネラリスト医師が充足されない大きな要因は養成体制の未整備にあります。我々は宮城県で最初に日本プライマリケア連合学会の認定を受けた家庭医療専門医養成プログラムを2010年にスタートさせました。東日本大震災により、家庭医・総合医の必要性はより一層明確に認識されるようになり、この地域での家庭医・総合診療医を養成する拠点となることを使命として2012年にみちのく総合診療医学センターを設立しました。地域医療支援病院である坂総合病院における総合診療・救急・在宅医療のみならず、地域に密着した中小規模病院や診療所での家庭医療をすべて経験できるフィールドを用意しています。
東北地方には、ジェネラリスト医師に対する需要はもちろん、ジェネラリスト医師の活躍できる広大なフィールドがあります。ジェネラリストの心と幅広い力量を持った医師を目指し、一人でも多くのみなさんがこのプログラムに参画されることを期待します。