坂総合病院 医学生・研修医のひろば
対談01
対談02
対談
対談03 catch

今田:研修医の皆さんの実感も交えながら、初期研修の場としての当院の魅力について考えてみたいと思います。はじめに、初期研修先として当院を選んだ理由を聞かせていただけますか。
木幡:仙台で生まれ育ち、地元宮城県でも卒後研修先を探していました。ここを選んだのは、実践的な研修で力をつけることができると考えたからです。見学した際に、研修2年目の先生方の成長した姿も印象的でした。
宮地:石巻市立病院開成仮診療所の所長として「地域包括ケア」の確立に取り組んでおられる長純一先生の紹介で当院を知りました。病棟、救急外来、在宅医療といった幅広いフィールドで、早い時期から実践を積むことができる点に魅力を感じ、ここを選びました。
今田:「地域の中に我々の医療はある」という「地域医療の実践」の理念が、若い皆さんに評価されていることをとてもうれしく思います。地域医療の実践には、技術的に完成された専門医だけでなく、旺盛な行動力と問題意識、フレッシュな感覚を持った若い医師の存在が欠かせません。そういった意味で、研修医の皆さんの視点から医療全般を振り返っていただくことは、当院にとって大きなインパクトとなり得るのです。研修の中で皆さんが抱く思いを共有させていただくことで、これから先の医療、当院の未来を切り拓いていきたいと思います。
宮地:診療科ごとに異なるそれぞれの文化に、自分がこれまで培ってきた文化を近付けていく作業、それが初期研修ではないかと感じています。その中で、自分に足りないものは何かを知ることが、成長のための一歩なのではないでしょうか。消化器科の研修では、かなり大きな裁量権が私に与えられました。思わず立ちすくんでしまった時など、指導医の先生に道筋を示していただくことはありましたが、自分から動かなければ何も動くことはないという経験の中で、医師としての責任を強く意識することができました。
木幡:初期研修が始まり様々な状況を経験する中で、体力的に厳しいこともありました。しかし、それらの一つ一つを乗り越えることで徐々に成長できている気がします。まずは自分でやってみて、その上で上級医の先生方から教えていただくという繰り返しの中で、自ら積極的に動くことが患者さまのためになる、ということを実感として学ぶことができました。
今田:初期研修の大きな目標の一つに「医師としての自立」があると思います。そのことを自覚しながら、忙しさの中で、それぞれにチャレンジしていることが分かり、心強く感じました。医師は患者さまとの関係の中で育つものです。さらにチーム医療の中では、医師以外のスタッフとのコミュニケーションも成長のための大きな要素となります。初期研修医の皆さんには、患者さま、医療行為の結果、医療スタッフ、さらには医学・医療に対し常に謙虚であってほしい、それが私の願いでもあります。
木幡:病院全体として研修医を育成して頂ける雰囲気があり、コメディカルも含め、気軽に相談できる環境がこの病院にはありますね。
宮地:研修医会の「木曜会」や各種カンファレンスなど、知識を得る機会が多く用意されているのも、ここの研修の魅力の一つだと思います。いつも受け身ではなく、自分たちの企画によって学びの場をつくることができたら楽しいのに、ということも感じています。
今田:当院と研修医の皆さんとのお付き合いには、すでに50年近い歴史があります。それは、研修医の皆さんをお迎えするためのより良い仕組みやコンセプトを考え続けてきた50年でもあるのです。当院の研修では、先輩研修医が新人研修医を育てるという気風が脈々と受け継がれています。2年目、3年目の研修に入った時、皆さん自身が後輩の成長に積極的に関わっていただけるように、さらなる成長と今後の活躍を期待しています。

PROFILE今田 隆一 こんだ りゅういち
1976年東北大学医学部卒業、宮城厚生協会入職。1979年東北大学脳神経外科入局。1985年泉病院勤務。2007年坂総合病院院長に就任。2014年より理事長。
専門分野/脳神経外科一般、良性脳腫瘍、脳血管障害、認知症、頭痛・めまい。
専門医資格/日本脳神経外科学会専門医、日本リハビリテーション医学会認定臨床医、日本医師会認定健康スポーツ医、日本医師会認定産業医。
PROFILE木幡 将人 こはた まさと
2013年秋田大学医学部卒業。宮城県出身。
大学時代の部活動の先輩3名が坂総合病院で初期研修。その勧めもあり当院へ。
PROFILE宮地 康僚 みやじ やすとも
2013年北里大学医学部卒業。神奈川県出身。
東日本大震災後に、被災地の仮設住宅を訪問した経験を持つ。