坂総合病院 医学生・研修医のひろば
対談 VOL2 指導医 渡部 潔×研修医 遊佐 美友貴・平澤 樹

渡部:坂総合病院で初期研修に入り1年近くが経過したお二人から、当院での研修について生の声をお聞きできるということで、大変楽しみにしておりました。はじめに、初期研修先として当院を選んだ理由から聞かせてくださいますか。
遊佐:生まれも育ちも福島で、大学も福島だった私は、いずれは故郷に戻るものの、一度は県外に出たいという気持ちがありました。大学の同期生でもある婚約者がこちらで初期研修に入ることを決めていたことから、私もここがいいかなと考えました。
平澤:出身地の宮城県で研修先を探そうと、いくつかの病院を見学しました。研修医の先生たちがどんなことをしているかという視点でそれぞれの病院を見た時、研修医の先生が最も輝いて見えたのが当院でした。ここでは研修医の先生がメインで診療を行っていました。「初期研修を通して自分もこうなりたい」という思いが、当院を選ぶ決め手になりました。
渡部:他の病院と比べ、特に違うなと感じたのはどんな点ですか。
平澤:見学に行った病院では救急を見せてもらうようにしました。救急医が大勢いるような大病院では、研修医は救急医の指示に従って動くという感じでした。それに対し、ここでは研修医が前面に立ち、それぞれの判断で迅速に動いている姿が印象的でした。
渡部:ローテート研修という方式は今ではどこの病院でも当たり前のものになっていますが、当院がその方式を導入した約45年前には非常に先駆的な取り組みでした。内科的な素養を持ち地域医療に貢献できる医師を育てることを目的としたローテート研修の長い歴史を持つ当院には、研修医の皆さんを飽きさせない研修メニューの提供や研修医の皆さんへの適度な負荷のかけ方という点で、一日の長があると自負しています。また、私たち指導医の側の体制がしっかりし過ぎると、研修医の先生方が手を出しにくいという面も生まれます。当院の場合はそこが丁度いい塩梅といいますか、研修医の皆さんが非常に鍛えられる環境にあるのは確かだと思います。
遊佐:ローテート研修に長い歴史を持つというのは、私たち研修医にとって大きな「安心感」でもあります。どこまではまかせることができ、どこからは危ないといったことを適切に判断していただいていると思いますから。

遊佐 美友貴
平澤 樹
指導医 渡部 潔

渡部:研修医の皆さんの集まりがかなり発言権を持っているということも当院の初期研修の特徴の一つだと思いますが、皆さんはどう感じていますか。
平澤:わがままは言っていませんが、言いたいことは言わせてもらっています。社会人になったばかりの私たちにとって、研修医としての生活はそれなりにストレスが溜まるものです。そのためのガス抜きではありませんが、メンタルケアの一つとして、言いたいことが言える環境があるというのはありがたいことだと感じています。
渡部:この1年の研修を振り返り、どんなところに医師としてのご自身の成長を感じていますか。
平澤:これまで、循環器科、外科、消化器科、呼吸器科をそれぞれ3か月単位で研修しました。その経験の中で、一般的な疾患については診ることができるようになったと思いますし、自分一人でやれる範囲もかなり広がりました。
遊佐:私は、消化器科、循環器科を経て産婦人科と救急を経験、現在は外科で研修中です。内科での研修をひと通りまわり終える前に産婦人科と救急に配属されたことで、かなりプレッシャーはあったのですが、指導医やその他のスタッフの方にサポートしていただき、大きく成長することができました。
平澤:研修を通して感じるのは、学生時代とは違い、医師として患者さんに接する時、そこには責任が発生するということです。
遊佐:研修医になって意識が変わりました。今この手技をやっておかないと、いつか恥ずかしい思いをするかもしれない。研修医ではなくなった時のことを考え、どんなことにも積極的にチャレンジするようになりました。
渡部:研修医の皆さんの成長する姿を目にすることは、私たち指導医にとって大きな喜びでもあり楽しみでもあります。将来進みたい道はそれぞれあったとしても、ローテート研修をする以上は、それぞれの科の楽しみが分かるように積極的に取り組んでほしいと思います。充実した研修医生活が送れるように、指導医間でも情報を共有しつつ、皆さんのフォローをしていきたいと思います。皆さんのさらなる成長と今後の活躍を期待しています。

PROFILE渡部 潔 わたなべ きよし
1994年東北大学医学部卒業、宮城厚生協会入職。1999年より国立循環器病センター、大阪市立大学医学部附属病院にて出向研修の後、坂総合病院循環器科に帰任。現在、同院循環器科科長及び医師研修委員長・研修プログラム責任者も兼任。
専門分野/循環器疾患全般、不整脈、心エコー
専門医資格/循環器専門医、認定内科医、プライマリケア連合学会認定医
他資格/PHP研究所認定上級ビジネスコーチ・チームコーチ
PROFILE遊佐 美友貴 ゆさ みゆき
2014年福島県立医科大学医学部卒業。福島県出身。婚約者と同じ環境で研修したいという思いから坂総合病院へ。将来の目標は皮膚科医。
PROFILE平澤 樹 ひらさわ たつき
2014年獨協医科大学医学部卒業。宮城県出身。学生時代はラグビーに打ち込む。体で覚える研修がしたいと考えたことも、坂総合病院を選んだ理由の一つ。