古川民主病院 Transitional year研修

◎推奨期間:6ヶ月以上

◎研修環境・セッティング:古川民主病院は病床数41(うち地域包括ケア病床32)、介護医療院41床、成人病外来、一般内科外来、訪問診療(機能強化型在宅支援病院)、小児科外来、歯科を有する地域に根ざしたプライマリケアから高齢要介護者のケアを行う小規模病院です。研修医には、一般内科外来を週4単位程度、訪問診療を週3単位程度、地域包括ケア病床主体の入院診療、当直業務、頭部CT読影などを担当いただき、希望に応じてエコー研修(主に腹部、心臓)や宮城民医連内の病院や診療所への1day back研修なども可能です。急性期病院とは診療の性質が異なりますが、診療所に比べると入院その他幅広い機能を有することにより、様々な研修機会を提供し、知識や技術の習得だけでなく、リーダーシップ、プロフェッショナリズム、多職種協働、地域連携を学ぶ中で医師としての成長に寄与できると考えています。

【1-2ヶ月ならここまでできる】
主に回復期や慢性期医療を担う当院の特質を理解し、地域における役割について理解できる。地域医療・福祉連携の仕組みを理解できる。民主的集団医療のリーダーとしての自覚を持ち、協調性をもって活動できる。急性・慢性のCommon diseaseの基本的初期診療ができ、診療時間や患者数に応じた時間配分ができる。疾病のみならず、その背景にある社会的問題(家族関係、労働、政治経済、産業、医療福祉制度など)を理解し分析することができる。健診や健診二次の診察、対応ができる。各種診断書、主治医意見書、訪問看護指示書などの書類を適切に記載できる。頭部CT所見を適切に記載できる。共同組織と共に地域健康増進について考えることができる。

【3ヶ月ならここまでできる】
  1. 外来:急性・慢性を問わずCommon diseaseの基本的診療ができる。急性病態、救急患者については適切な初期対応ができ、当院や他院への入院適応を判断し適切に振り分けることができる。慢性疾患については長期的視点に立ち管理することができる。
  2. 病棟:自立した主治医として多職種と協働し問題解決ができる。高齢要介護者の特性を理解し、治療のみならず療養の在り方について検討することができる。
  3. 訪問診療:新規患者について患者や家族の状況を理解し、統合的ケア、ケア移行の視点をもって導入できる。多職種カンファレンスやデスカンファレンスを主体的に開催できる。
  4. 共通:疾病に限らず、その背景にある心理社会的問題について患者中心の医療、家族ケア、地域志向型ケアを理解し実践できる。地域における医療・福祉連携の仕組みを理解し、他の医療機関・訪問看護ステーション・介護施設などと連携ができる。終末期医療・緩和ケアやACP (Advanced care planning) を適切に実践できる。自院や地域の医療水準向上のため院内・地域において教育活動を行う。

【6ヶ月ならここまでできる】
これまでに習得した知識・技術・態度と、構築した多職種・地域との関係性を基礎に、継続性や経営的な視点をもって診療、教育活動、業務改善を実践する。